(許可事例)過去の申請との齟齬を指摘された日本人の配偶者ビザ

投稿者: | 2020年8月30日

代表行政書士の茂木です。(´・ω・`)

弊所でサポートさせて頂いた許可事例です。ご参考になれば幸いです。

【概要】アフリカ国籍/新婚さん/(2018年)/認定

 配偶者ビザにおいて、重要な審査項目である「交際の経緯」「収入」などは特に何も問題のないカップルさん達でした。したがって、通常通りの申請を行いました。

 しかし、入管からの追加資料請求で「何?、まさかっ??」と思えるような追及がきました。「申請人の方は、以前、研修(インターン)で日本に来ていますが、その際「配偶者 有」で申請されています。今回の申請では「初婚」となっています。今回が初めての結婚であることを説明してください。」という内容です。

 いやぁ~まさかぁ~あの人に限ってそんなことあるわけないだろう~、と思い、ご依頼人様たちに確認すると、当然、海外配偶者様は全力の全否定でした。

 それじゃ、過去の申請で担当者が転記ミス?でもやらかしたんだろうと思って、いろいろと日本人配偶者様ご協力のもと調べてみました。そうしたら、予想通り、過去に申請をした際に、本人の履歴書から申請書に情報を転記するのですが、その際誤って「配偶者 有」と記載したようでした。しかも、県の観光課が担当です。

 したがって、県より「転記ミスした旨の報告書」を入管宛に作成していただきました。しかし、その内容を確認すると、細かく考慮すれば、依然として、「本当に今回の結婚が初めてか?」は証明できていません。

 そこで当職考えました。そして、いっぱい何度も考え、調べたりもしたのですが「自分がいままで誰とも結婚していないことの証明」なんて無理じゃね?という結論に達しました。日本人配偶者様も、ご自身でいろいろと調べて、そのように感じているようでした。

 例えば、日本であれば「戸籍謄本」をみればいいじゃないのか?と思うかもしれませんが、たしかに、戸籍謄本を見れば、私の婚姻歴が分かると思います。でもそれは、日本国内の事だけであって、もしかしたら、私は、どこかよくわからい国で外国人と結婚しているかもしれません。それが、私の悪意によって日本では反映されていない、だけかもしれません。

 ビザ的に言えば、県からの 「転記ミスした旨の報告書」のみでもって許可は下りると考えましたが、何だか後味が悪いです。「ほんとに初めての結婚なの?」という疑義が頭の片隅に残ってしまいます。(´Д⊂グスン

 したがって、入管的には不要だったかもしれませんが、海外配偶者様に「自分が初めての結婚である」ということを証明するために考えられることを、やれるだけやるように指示をしました。

 海外配偶者様は、必死に現地大使館や市役所に出向き「今回の結婚が自分にとって人生初であることの証明」を得ようと努力していただきました。正直、当職は、そのような証明は得られない、と考えていましたが「必死こいて探し回った経緯」というものが重要と考えていましたので、海外配偶者様が汗だくになって脇汗かいて窓口で必死こいてる姿を想像しながら、報告を待っていました。

 案の定、「どこにいってもそのような証明書は発行不可能と言われました。」とご報告を受けました。

 そして仕上げとして当職は「それじゃぁ・・・「日本人配偶者との婚姻が私にとって人生初の婚姻であり、これより以前に婚姻した事はありません。」という宣誓供述書を作成してください」とお願いしました。(究極的には、この手の証明は「本人の供述」を信用する以外になかったと思います。証明する方法があればご教授お願い致します。)

 結局、「県からの報告書」「上述経緯の説明書」「宣誓供述書」を追加資料として提出し、無事、許可を頂けました。

 「本当に私が初めての結婚相手なの・・・?」という事を引きずったまま、結婚生活を送っていくのは、全くもって精神衛生上よろしくありませんので、やれることは全部やっていただきました。お疲れ様でございました。m(__)m

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