日本人の配偶者ビザのポイント

 このページでは日本人の配偶者ビザ、正確には在留資格「日本人の配偶者等」ですが、申請のポイントをご紹介いたします。ご自身の状況と照らし合わせてご参考にしていただければと思います。

1 法律上婚姻していること

 当然ですが、日本国内においてもお相手の外国においても法律上婚姻している状態でなければなりません。法律上婚姻していなければ、いくら婚約していても、申請書を入管に受理すらしてもらえません。

 外国の結婚証明書は、日本の戸籍謄本同様、入管提出必須書類でありますが、取得に時間がかかることがあります。その場合は、日本の戸籍謄本のみで入管に配偶者ビザを申請し、2~3か月の審査期間中に外国の結婚証明書を取得して追加提出します。また、国によっては、日本で先に結婚してしまうと、外国の結婚証明書が発行されない国もあります。その場合も、ちゃんと外国へ結婚の報告をし、外国結婚証明書の代わりとなるような書類を取得、入管へ提出するようにします。

2 夫婦として扶助協力して生活していくこと

 このことも、日本人の配偶者ビザ許可の重要な審査要素です。夫婦なので当然の事なのですが、残念ながらビザ取得だけが目的の偽装結婚等が少なからず存在していますので、表題のような事実も確認されます。

 具体的には、質問書や結婚に至った経緯書、その他の提出書類から判断されます。結婚に至った経緯(出会った場所、デートした場所、結婚までの歩み、お互いの家族との交流などを記載します。)がしっかり書けていれば、特に問題はないと思います。交際期間が短かったり、かなりの年の差婚(25歳と75歳とか)であったりすれば、入管としては「夫婦として扶助協力して生活していくこと」に多少の疑義が生じるかもしれません。その場合も、「なぜ私たちは結婚したのか」という理由を詳しく記載するのが良いです。

 また、すでに日本に滞在していて共同生活を送っているのであれば、積極的に現在の共同生活の状況を記載するのが良いです。入管審査上、とても有利に考慮していただけます。

3 結婚生活のための経済的基盤

 結婚生活には、やはりお金がかかりますので、これも配偶者ビザの判断要素の一つに挙げられます。しかし、経済的基盤(しっかりした収入、資産等)がなければ許可が下りないという事ではありません。たとえ低収入、非正規労働、アルバイトであったとしても、夫婦が協力して生活していけるのであれば問題ないと考えます。ただし、その場合は「低収入でも夫婦協力しやっていけてます!」ということを、結婚に至った経緯書などで丹念に説明します。

 また、日本人の配偶者が無職で申請人が家計を工面する場合でも許可され得ます。しかし、このような場合は、申請人は外国人ですので、現在のビザとの関係があるので要注意です。また、「申請人が海外にいて、日本に来たら働いて稼ぐ」としても良いですが、この場合は、就職予定先、就職可能性、予定収入、申請人の能力、就労目的ではないか?等、慎重に審査されますので、多分の注意が必要となります。

4 その他の留意事項

 日本人の配偶者ビザに限ったことではありませんが、配偶者ビザが不許可(不許可理由は様々です。)となる可能性のある事柄を列挙致しますので、ご参考にしていただきたく思います。もしも、自分たちの事で不許可になる可能性がある事柄に当てはまってしまった場合は、それなりの対策が必要になります。場合によっては、一度申請し、不許可処分を受け、入管と相談し、問題を聞き出し、再申請する、という事を行う必要もあります。

  • 上陸拒否期間(1年、5年、10年、永久)が終わっていない
  • 日本人配偶者に犯罪歴がある
  • 日本人配偶者が生活保護を受けている
  • 年の差婚(30歳と70歳など)
  • 過去入管に提出した書類に虚偽がある
  • 日本での在留状況が悪い(税金滞納、犯罪歴、超過労働)
  • 日本人との結婚・離婚を繰り返している

 これらに当てはまる場合は、申請書、質問書、結婚に至った経緯書、その他事情説明書など入管に提出する書類全てに通常の何倍の正確性、信ぴょう性が求められますので、十分にご留意していただきたく思います。