このページでは、経営・管理ビザを取得する際に、新規会社を設立して、まだ1年たっていない会社などが入管に提出する事業計画書の書き方をご説明致します。事業計画は会社によって様々ですので、参考程度にしていただきく思います。

1 事業計画書の記載項目
以下の項目を記載していけば概ね良いです。これから日本でビジネスを行おうと考えている方にとっては、答えやすいものばかりかと思います。収支計画などは、計算根拠をしっかりと示しながら売り上げ、費用等を計上していきます。
ここでの事業計画は、銀行などから借入を行う際に要求されるレベルのものであはりません。融資などを受ける際の事業計画よりもずっと簡易なものとなります。
会社概要
- 会社名
- 所在地
- 電話番号・FAX番号
- 設立年月日
- 資本金
- 従業員
- 事業内容
- 取扱製品
- 主要取引先
- 収益体制
事業計画
- 会社の強み
- 会社運営の課題・問題点
- 会社運営の課題・問題点の改善策
- 今後の事業戦略
- 収支計画(今後1年分で十分です。黒字にします。黒字にできなければ、2年分作成し、2年目には黒字を達成します。1年目の赤字を賄うための資金が必要になります。)
- 収支計画の計算根拠
事業計画書は、自身の会社や業界動向、諸経費など詳細に分析して記載する事に越したことはありませんが、時間や費用のかかることですので会社の現状でやれる範囲になるかと思います。できれば、作成した事業計画書を税理士や中小企業診断士にチェックしていただき、事業計画書の妥当性を評価してもらえれば最高です。
会社の強み・弱み、資金、人材、特に売上、費用などの数字は、あらゆる事態を想定して計上したいところです。借入をしているのであれば、月々の返済金も必ず考慮しましょう。減価償却費を計上するかどうかは、償却費の金額によって決めますが、基本的には考慮しないで作成します。基本的に「売り上げは甘く、費用は厳しく」です。そして必ず黒字にします。売上の根拠は、客観的な疎明資料を多く入手して、その実現可能性を合理的に説明したいところです。公的機関や関係機関のHPで公表されている各種統計を利用するのがとても良いです。もちろん、ご自身で収集した資料や調査結果を引用しても構いません。
2 事業計画書の作成例
事業計画書の作成例です。業種によって記載内容は様々であると思いますので、ご参考程度にお願い致します。
令和○年○月△日
事 業 計 画 書
(期間:2020年1月1日~2020年12月31日)
1.会社概要
(1)会社概要
会社名 ○○貿易株式会社
所在地 愛知県一宮市△△1-1-1
TEL/FAX 0586-○○-□□△△
設立年月日 令和1年○○月○○○日
資本金 □00万
従業員 代表取締役 1名 正社員1名
主要取引先 (国内取引先)㈱△△商事、□□㈱、○○商事など
(海外取引先)□□□□CO.,LTD △△△△CO.,LTD
(2)事業内容
日本全国の大型販売店や個人から、使用済みの中古家電等を買い取り、海外(主に東南アジ ア諸国)に輸出販売する。日本国内において商品の買い取り、検品、保管、出荷準備、コ ンテナ手配などを行い、海外企業と提携し商品の受け取り、検品、納品等を行う。現地海外 企業に対して日本企業の情報提供を行い、また、現地海外情報(需要、購買層、価格、売 れ筋を日本企業に提供する。
(3)取り扱い商品
エアコン、プリンタ、冷蔵庫などの使用済み家電製品
中古バイク、自転車、農機具など
(4)収益体制
・海外小売企業との価格交渉を弊社代表が行う。
・日本国内の仕入れは、現地企業情報をもとに弊社代表が行う。
・販売価格(予定)1コンテナ当たりの費用に〇〇万~○○万円上乗せして販売予定
・海外販売価格(予定)1コンテナ当たり○○○万円(□□向け)
1コンテナ当たり○○○万円(△△向け)
1コンテナ当たり○○○万円(××向け)
・国内販売価格(予定)仕入価格に+○○○○円上乗せして販売予定
2.今後の事業計画(2020年1月1日~2020年12月31日)
(1)弊社経営の課題
(課題1)主力製品である○○は季節的変動が激しく、売り上げが安定しない。
(課題2)中古家電は薄利多売になる傾向がある。
(課題3)新規参入のため、初期費用がかさむ。
(課題4)中古家電貿易のノウハウは代表頼りであり、代表不在時の業務が滞る。
(2)今後の経営方針
課題に対応した会社経営を目指す。
・主力商品の需要閑散期を埋める商品の発掘
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3.収支計画
(1)収支計画(期間:2020年〇月〇日~□月□日)
項目 | 金額 | 対売上比 |
①売上高 | 100,000,000 | 100.00 |
②売上原価 | ||
③売上総利益(①ー②) | ||
④役員報酬 | ||
➄給料手当 | ||
⑥法定福利費 | ||
⑦福利厚生費 | ||
⑧交際費 | ||
⑨旅費交通費 | ||
⑩通信費 | ||
⑪消耗品費 | ||
⑫水道光熱費 | ||
⑬車両関係費 | ||
⑭地代家賃 | ||
⑮保険料 | ||
⑯租税公課 | ||
⑰雑費 | ||
⑱販売管理費(④~⑰合計 | ||
⑲営業利益(③ー⑱) | ||
⑳営業外収益 | 0 | |
㉑営業外費用 | 0 | |
㉒経常利益(⑲+⑳-㉑) | ||
㉓特別利益 | 0 | |
㉔特別損益 | 0 | |
㉕税引前利益(㉒+㉓-㉔) | ||
㉖法人税等(※○○%で計算) | ||
㉗税引後利益(㉕-㉖) |
(2)計算根拠
売上高 ○○○万円/コンテナ1本 × 〇〇本/年 = ○○○〇万円/年
売上原価 仕入費用○○○万円/本 + 輸出手続き費用○〇万円/本 = 売上原価
仕入費用○○○万円/本 × ○○本/年 = ○○○○万円/年
輸出費用○○万円/本 × ○○本/年 = ○○〇万円/年
売上原価合計 ○○○○万円/年
役員報酬 ○○万円/月 × 12 = ○○○万円/年
給料手当 正社員1名 ○〇万円/月 × 12 = ○○○万円/年
パート1名 〇〇万円/月 × 6 = 〇○〇万円/年
法定福利費 代表1名 ○万円/月 × 12 = 〇○万円/年
正社員1名 ○万円/月 × 12 = 〇○万円/年
パート1名 ○万円/月 × 6 = 〇○万円/年
旅費交通費 ○万円/月 × 12 = 〇○万円/年
通信費 ○万円/月 × 12 = 〇○万円/年
水道光熱費 ○万円/月 × 12 = 〇○万円/年
地代家賃 ○万円/月 × 12 = 〇○万円/年
交際費 ○万円/月 × 12 = 〇○万円/年
消耗品費 〇○万円/月 × 12 = 〇〇○万円/年
車両関係費 〇万円/月 × 12 = 〇○万円/年
保険料 ○万円/月 × 12 = 〇○万円/年
租税公課 ○万円/月 × 12 = 〇○万円/年
雑費 〇万円/月 × 12 = 〇○万円/年
(3)計算根拠に関する補足
売上高:
売上原価:
給与手当:○月にパート1名採用予定
消耗品費:初年度につき、業務用工具、必要事務品など揃えるため多めに計上
車両関係費:□月に車両(□□□□ ○○式)の車検あり